感情や感覚を探る ~否定から受け容れへのワンステップ~

こんにちは!
ロンドンもようやく夏らしくなりました。気温が高い日が少し続くようです。

今回は、パニックの発作などに急に見舞われて、それ以降不安な気持ちがおさまらなくなっている場合に、よく耳にするのが、「なんで私にこんなことが起こるのか分からない」という言葉です。急に息が苦しくなったり、夜中に不安で目が覚めたり、その後も同じことが起こるのではないかと怖くなってしまう、またそれによって、生活も制限されたりする訳ですから、そういう気持ちになるのも至極当然です。

また、これはパニックや不安、恐怖症に限らず、ある状況に対しても、「なぜ自分にこんなことが起こるのか?」「なぜこんなに自分がつらい目に遭わないといけないのか」と思うこととも共通していますね。

クライアントさんによっては、今まで自分がどれだけ努力してきたか、とか、今まで順調に歩んできた道のりの話や、目標にしていることへ到達するのに、今こんなことで悩んでいる場合じゃない、などといったことをお話される方もいらっしゃいます。また自分が弱いからこうなったのでしょうか?という質問をされる方もいらっしゃいます。

カウンセリングでは、「なぜ自分に?」「なんで私に起こっているのか?」ということに対しては答えを出すことはできません。でも代わりに、「なぜ?」と思っているその下にある感情が何なのかを探ることができます。そして探ったその感情を解放することで、随分楽になれたり、気づいていなかった違う見方ができるようになります。

「なぜ自分に?」と思っている時に、感じている感情、感覚を探るということです。

それは、怒りかもしれません、悲しみかもしれません、混乱している感じかもしれません、孤独で寂しい感じかもしれません。みぞおちの辺りがずしりと重たい感じかもしれません。

もしこれをしなかったらどうでしょう?

起きたことに対して、ずーっと抵抗している状況が続くということです。
「パニックになる前の私は好きだったけど、パニックになっている私は嫌い」
「不安になってない時の私はOKだけど、そうじゃない時の私は駄目な私」
「人生楽しんでる自分は受け容れられるけど、つらくて苦しい思いをしている私はいやだ」
とマイナスな状況にいる自分を強く否定していることになります。

感情や思いを探るのは、「自分を強く否定している状態」から、「否定している自分を受け容れてみましょう」のプロセスの第一歩になります。受け容れるためには、否定している部分が実際にはどういうものなのかをよく知らないと、受け容れられないですよね。あるいは逆説的に言うと、それだけ否定するとしたら、何がそんなに嫌だったり、否定したくなるのかをつきつめる、と言うこともできるでしょう。
(ここで注意ですが、「怒りを感じます」、「悲しいです」などと感情を探っていく過程は、実際にはつらかったり、苦しかったりしません!ご安心を☆)

私自身が、「パニック障害である自分」を否定し、さらに「自分が弱いからだ」「自分がうまく生きれていないからだ」と自己否定の悪循環に陥って苦しんだ経験があることから、「否定していること」に気づいて、そして、否定している時のその下にある本当に感じている感情や思いを探ることが、否定していた状態から受け容れる状態になるための第一段階として使えるのですよ、ということをお伝えしたかったのです。

どんな風に「自己否定」から「自己受容」のプロセスが進んでいくのかですが、
①最初は、否定している感情、感覚を感じてみる:これらはずーと見ないように抑え込んできた感情たちで、ずーっと滞っていたエネルギーですから、一旦感じるとポンポンでてきます。また潜在意識にある思い(「自分は助けてもらえない」など)も見つけやすくなります。(解放の段階です)
②ある程度解放が進むと、あるいは解放されることに抵抗する感情や思いがある場合は、ネガティブなものであっても、居場所を与えてあげることができるようになってきます(統合の段階です)。
③次に、例えば、「不安」や「怖れ」「怒り」などの感情を、エネルギーそのものの質として感じることもできるようなってきます。(自分が影響されなくなっている段階になります。)
セッションでは、プロセスに合わせて、また出てくる感情や思いの大きさに合わせて、セラピーテクニックを組み合わせながら、セッションを進めていきます。

今回も読んでくださりありがとうございました~☆

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