パニック障害は パニック発作から始まる
パニック障害は、突然、パニック発作に見舞われることから始まるのが通常です。
パニック発作は、急激で、全く予期せずに起こり、体の反応を伴って経験されるので、
・自分がコントロールを失ったように感じたり、
・狂うのではないかと思えたり、
・このまま死んでしまうのではと強い不安を抱かせます。
でも、どんなにそう感じられたとしても、パニック発作で死ぬことはありません!
と、ちょっと話が飛躍しますが、
例えば、歩いていて突然クマに出くわしたら、あなたはどんな風に反応するでしょう?
どうやって逃げようか? どうやって気づかれないようにしようか?
心臓がドキドキし、手のひらに汗がにじみ、血圧は上がり、呼吸は早くなり、めまいやふらふらとした感じがする、、
と、生命を危険から守るために、即座に体が反応するはずです。
突然目の前にクマが現れたら??その時の、体の反応と、体の中で起こっていることは??
◎心拍数が上がって、心臓がドキドキする
危険にさらされた、闘うか逃げるかの場面では、血液と酸素を体に早く、多く送る必要があるため、それに従って呼吸も早くなります。それによって、ため息、あくび、息がしづらい感じがしたり、時には胸のあたりに痛みを感じることもあります。
また、頭への血流が減少します。なので、めまいがしたり、現実感がなくなったり、体が熱く感じられたりするんですね。
◎血の気がない感じがしたり、肌が冷たくなったり、指やつま先がしびれたようになる
血液は、生命を守るのに必要な大きな臓器や筋肉に再配分されます。逃げるか闘うかの反応に必要な部分に送られるんですね。これによって、肌や末端の指、つま先に行く血流が減ってしまうことから、これらの部分が冷たく感じたり、しびれたように感じたりするわけです。
◎汗がでる
敵を前にして、汗を出すことで肌を滑りやすくして敵に掴まれにくくしています。また、発汗によって、体が熱くなりすぎないようにもしているんです。
◎視野がぼんやりしたり、目の前に点が見えたり、視界が明るすぎると感じたりする
瞳孔を大きく開くことで、周りの様子や、危険がないかどうかを確認しやすくしています。
◎口の中が乾いたり、吐き気がしたり、腹痛がする
より多くのエネルギーを、逃げるか闘うかの反応に使うため、消化のための機能をおさえます。これにより、唾液の分泌量が少なくなるので、ドライマウスになったり、吐き気や腹痛が生じたりします。
◎体に緊張や痛み、震えが生じる
逃げるか闘うかの反応をする際に、当然、筋肉に緊張がかかります。それが、時には、痛みに感じたり、震えとなって現れます。
と、こんな風に危険に遭遇した時に、私たちの体の中ではこんなことが起こっているんです。
そして、この危険に対する防衛反応は、私たちが生存するために自然に備わっている反応、システムで、危険と感じたら、とっさに、闘うか/逃げるかの反応として機能するんですね。
この反応ができるおかげで、生命の危機を感じたときに、慎重に行動ができたり、その場の環境に適応ができたり、突然の脅威に対応できたりするんですね。大切な反応です。
ここまでは、防衛反応の体の反応をみてきました。
ところで、パニック発作の時って、同じ体の反応をしている、ということにお気づきでしょうか?
つまり、
パニック発作の時の体の反応は、「防衛反応」として体がとっている反応と同じ、なんです。
私たちにもともと備わっている防衛反応と、
パニック発作時の反応が同じであるならば、
この反応で、命を失う、ということはないですよね。
これが、「パニック発作で死なない」と言われる所以です。
パニック発作時のあなたの「体の反応」はどこも間違っていませんし、
「パニック発作=(イコール)命の危機」
ではないのです。
でもでも、パニック発作が、「体の反応としては正常」と言われても~~
それでも、このパニック発作、困りますよね~~。
何故困るのか?
それは、パニック発作は、まるで、
煙がでてもいないのに、火災報知器が鳴ってしまう
状態だからです。
つまり、パニック発作は、
危険がないにも関わらず、「危険だ~!」と「誤作動」して体が反応する。
この誤作動としての体の反応~パニック発作~ がなぜ起こるのか?
その理由については次回書きますね♪
ちなみに、パニック発作を経験した後に起こるのが、予期不安です。
これはパニック障害の大きな特長です。
予期不安は、火災報知器の音そのものに恐怖を感じているようなもの
・つまり、危険がないにも関わらず、防衛反応として体の反応がでることによって、強い恐怖感を感じてしまう(「心臓発作なのでは?」、「正気を失うのでは?」など)
・そして、この誤作動(発作)がまた起こるのではないかと不安を抱くようになり、
・強い恐怖を感じた経験をもとに、危険がない場所や状況であるにも関わらず、「危険な場所」、「生命にとって大変なことが起こる状況」と誤った解釈や認識にすり替わってしまう
んですね。
予期不安の延長にある広場恐怖
そして、この予期不安により、助けを得られない状況や、すぐに逃げることができない場所を避け始めます。これが、「広場恐怖」です。この広場恐怖も、パニック障害の特徴の一つです。
今日は、パニック発作の時の体の反応は、私たちに備わっている防衛反応と同じであって、正常な反応として起こっている、というお話をしてきました。
体の反応としては何ら異常ではない、ということです。
異常ではないので、ひどく恐怖感をもつ必要もないし、自分がおかしいのでは?と自分を疑ったり、責める必要もないんです。ちょっと、肩の荷がおりませんか?深呼吸してくださいね。
死への大きな恐怖を感じてしまうようなパニック発作ですが、体で起こっている反応が本当は何なのかを理解しておくことは、安心感につながりますね。
こちらの記事もご参考にしてください。
*パニックアタックから予期不安の流れを断つ方法について:
https://wheatmarmot1.sakura.ne.jp/panic/pa-pd-brain/
今回も最後まで読んでくださってありがとうございます~☆
(現在、ブログサイトの更新中で、うまくリンクが貼れていません。お手数ですが、コピペして開いていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします<(_ _)>)
☆10月25日(日)開催の「パニック障害スッキリ克服の秘訣セミナー」まだ若干お席あります。
http://hiroko-shimotaya.com/pd-seminar-151025/
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