マトリックス・リインプリンティング  -ある思いから10歳の記憶へ-

こんにちは!
三連休のロンドンは久々いいお天気に恵まれたのに、今日からまた雨、曇り空に戻ってしまいました。寒いな~。。。

さて、今回はマトリックス・リインプリンティング(MR)についてです。
パニック障害や、閉所恐怖症と関係する自分の思いについていろいろと取り組んできた私です。
特にパニックアタックに見舞われる際には、動悸が早鐘のように鳴る、呼吸が苦しくなる、空間への認知が完全に失われて「このまま息ができなくなって死ぬ」「誰も助けてくれなくてこのまま死ぬ」という風に、「死」への怖れが常に身近に沸き上がってきていたものでした。

なぜこれほどまでに「死」を怖れるのか?

「人は予期せずにひどいことをする(傷つける)(⇔予期せず私は傷つけられる)」→「信頼できるものなど何もない(人も神も!)」。これは、今回のEFT・MRのトレーニングに参加していて、気づいた私の中にある思いです。
そして、この思いにまつわる記憶がポーンとでてきました。

それは、私が10歳ぐらいだったと思います。近所のスーパーの駐車場に家族と買い物を終えて、今から車に乗ろうとしている時でした。と、弟の指が後部座席のドアと車体のつなぎ目にある、危ない!と思った瞬間に、何も気づいていない母がその後部座席のドアを閉めてしまったのです。弟の指が隙間にあるのを見て、危ないと弟の指をはらうとか、母に気づかせてあげられなかった無力感や罪悪感を10歳の私は全身で感じています。そして弟の泣き声がさらにその感覚を増幅させます。

MRでは、記憶のシーンに今の自分が入っていき、シーンの中の自分(ECHOエコーといいます)に対してEFTのタッピングをしていきます。ちなみに、エコーはトラウマ(大小いろいろありますが)を経験することによって生まれます。またその経験は、過去の出来事であるのに、潜在意識としては現在進行中の出来事として捉えられています。(なので鮮明に思い出したり、感じたりできる)

これらの感情がおさまってきたな、と他に感じていることがないかをエコーに聞くと、今度は、とても取り乱し、悲しそうにしている母の顔がクローズアップされます。その顔を見て、動揺している10歳のエコーがいます。焦る父が母に対していろいろ責めている言葉も聞こえ、母は茫然と立ち尽くし、弟は泣き叫んでいます。(多分1分か2分の出来事だと思いますが、ありありと覚えているものです)。この時、私は、「人は予期せずにひどいことをする(傷つける)」、これはひいては、「一番身近に愛情を注いでくれるはずの親ですらも時として傷つけるとしたら(意図せずとしても)、親以外の人であればもっと簡単に傷つけたり、ひどいことをしたりする」という思いを持った、のだと思いました。

だから、この思いを持っている私は、その後も、いつも漠然とした不安を感じていたし、いつも警戒してびくびくしていなければならなかったんだ、と腑に落ちます。また、簡単に傷つけられるとしたら、その先にある死についても、自分が望む、望まないに関わらず自分に起こりうる、と心の深いところで思っていたことにもつながります。コントロールがきかないことへの異常な不安や怖れがあることともしっくりきます。

さて、MRのすごいところは、記憶のシーンの中の自分(エコー)と対話し、エコーが望むことをしてあげられるのです。今回10歳の私は、まず父を一瞬で落ち着かせるために、お茶を一口飲ませてあげたいと言いました。次に茫然自失としている母にタッピングをして、弟の指を挟んだショックを下げてあげたいと言いました。母が落ち着くと、10歳の私の動揺のレベルも下がってきます。そして家族みんなが落ち着いた状態で車を運転して弟を接骨院に連れていきたいと言いました。(当時の車の中は、もちろん、焦っている+母を責める父、母は取り乱し、陰湿な雰囲気の車の中から逃げたい+早く病院に着いて欲しいと願っている私、泣き続ける弟でした)

この時の弟の指は骨折もしておらず事なきに終わったのですが(もしかすると元々大したことがなかったのかもしれません)、が、この記憶は、10歳の私にとっては、「母が子供を痛めた」→「予期せず私は傷つけられる」→「信頼できるものなど何もない」という思いを抱かせ、またそのことを証明する記憶として、ずーと心の中にあったということです。

MRでは、エコーが必要とするツールを与え、それによりエコーがトラウマを楽に乗り越え、トラウマ的経験を解放(思考や感情も)することができ(私の今回の例:無力感、罪悪感、動揺、「信頼できるものは何もない」という思い)、さらに新たなイメージを付け加えたり、変えたりすることができます(落ち着いた状態で家族が車で病院にむかう。弟の指の治療のために家族が一致団結しているという新しいイメージ。母の行為を怖れたり、責めたりすることなく、弟の指が挟まれたことを新たな視点で見れる)。

こうやって、思いや感情をもったエコーに働きかける→思い、感情を解放ができる→潜在意識上の記憶がポジティブなイメージに塗り替えられる→ポジティブな感情も体験でき、それが恒久的に維持される(みなさんがご存知のとおり潜在意識にある思いや感情が95-98%私たちの日常の行動や思い、決定、くせを支配しているとすると)→人生がどんどん変わる
というわけです。
今回も読んでくださりありがとうございました~☆

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